惑星写真3
さて、このようにして撮影した画像の一枚がこれ。
露出がアンダーなのは、シャッター速度を少しでも上げたかったから。
さらにコントラストマイナス、エッジ強調無し、と素材性重視のためでもある。
しかし、この一枚ではレタッチしても模様もよく見えないし、ぼやけてみえる。
夏場のシーイングが良好なときは、もっとシャープに写るが、冬場では大気の揺らぎでどうしてもぼやける。
さらにノイズが乗っていて粒子が荒れて見える。
フィルム写真でも惑星写真で常用されるテクニック、「コンポジット」(多数のコマを一枚に重ねる)をここでも行う。
デジタルでは、自動で画像の重心を割り出して、各々の写真を重ねてくれる。
ソフトを使って重ねあわせた写真がこれ。
デジタルコンポジットのソフトには「ステライメージ」、「Registax」(WindowsXP)「KeithsImageStacker」(MacOSX)といったアプリケーションなどがあるが、後2者は動画から静止画を作り出してスタックする機能を持っており、ビデオに便利だ。
さらに後2者には「ウエーブレット変換」「ラプラシアンピラミッドシャープ」という名称の”画像復元”機能がある。本質はよく分かっていないが、イメージとして、いろいろな大きさ、周期の「ゆらぎ」を収束させるものだ。
この機能は劇的で、先の火星大接近の時に普及した。
これと、トーンカーブ調整をした画像がこれ。
普通はこれで終わりだが、小口径が大口径と対抗するために、さらに”画像復元”を行う。
ここでは「ステライメージ」の「最大エントロピー法」を用いる。これは最大エントロピーによるぼけの半径を想定して、逆変換をかける、というもので、試行錯誤しながら適したボケ半径を割り出す。
ただし、カラー画像にかけるのではなく、白黒画像に変換したものにかける。これはRGB各色のノイズ量が異なるため、一度、輝度だけの画像にするためである。
そうした画像がこれ。
さらにもう一二回、弱くした画像復元をかけると良い場合がある。
それがこれ。
最後に、もう一度カラー画像に戻すのだが、これは「L*a*b合成」といって、変換した白黒画像をL=輝度画像とし、色画像は、変換前の画像を用いる。こうすると、解像度を生かしたまま色を乗せられる。
トーンカーブ調整も行って、完成する。
以上が、火星以降、用いている筆者の惑星写真作成方法だ。
大口径望遠鏡には太刀打ちできないが、はやりのWebカメラには負けない画像が得られていると思う。
クールピクス990は現行4500になっているが、それももう2年前の製品だ。惑星用にこの種のデジカメの最新機種が欲しいところだが、最近のは高画素化が進んで、素材性にかけるデジタルカメラが多い。残念なことだ。
これから春にかけて惑星写真を楽しみたいと思う。
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コメント
なんで「ハッフル望遠鏡」なんて検索ワードで来る人がいるのか見てみたらここにあったのね。
「ハッブル(Hubble)」ですからお間違え無いように。いずこのサイトかで表題だけ間違っているようね。
しかし、ここに書いた「電子ぶれ補正」はすでに普及しているし、「ピンぼけ救済」(ぼけ制御)も開発されているようです。技術の進歩は速い。
投稿: nakama | 2009.05.16 07:24
木星の大きさも、100m先に1cmの玉を置いたのと同じ、と聞くとその模様をとらえるのってすごいと思いませんか?(計算合っているかな)
>将来ハードウェアの処理速度が更に増したら
ピンボケ救済もいいけど、それよりも前にちゃんとピントを合わせてくれよ、ってのが本音ですかね。
しかし、手ぶれ救済はあり得ますよね。リアルに補正をかけなくても、画像処理で救済するって言うの・・。どう?
投稿: nakama | 2004.03.11 00:13
画像復元技術ってすごいね~。
今日のニュースでハッフル望遠鏡が十数日露光して百何十億光年前の光を捉えたなんてのが出てたけど、地球から見た月面の蛍の光相当だって!?まさに想像を絶する世界だよなー。
>ぼけの半径を想定して、逆変換をかける
将来ハードウェアの処理速度が更に増したら、自動的に繰り返し試行錯誤をやって最適値を見つけ、ピンボケを救済する機能がデジカメに内蔵されたりして。
投稿: やまもと | 2004.03.10 22:37
元の絵から考えると、嘘っぽいかもしれないが、最初に見せた各二枚四枚の写真は、別のソフトを使って、違うアプローチで作ったものの比較になっています。
これで見ると、同じ模様が出ていますから、信ぴょう性が高いわけです。ただ、色については安定しません。苦労しています。
投稿: nakama | 2004.03.10 09:07